初インドの記憶 その1 (随時写真追加)
インドの洗礼は寝ている間に受けていた
24?5⁇年ぶりに海外一人旅を決行することに決めたのは、2018年の正月休みに偶然見かけたHISの初夢フェアでインド2.8万円!というキャッチが目に飛び込んできたから
安ければ乗り継ぎが多く現地まで時間がかかるのは分かっていたので、ANAを選んだ、結果2倍強の運賃のチケットを予約した、そして
3月9日、定刻に飛びたった航空機はエコノミー横3/3/3でかなり空席があり、のんびりと快適な空の旅だった
ムンバイ での乗り換えがあり手荷物を全て持ち出してトランジットの看板を頼りに次のゲートに向かった
自動小銃を肩から下げた警官か兵士が至る所にいる場所を通過し持ち物検査を受ける、三脚と着替えなどの入った60ℓのバックパックは成田からニューデリー迄ANA任せにしたような?この後受ける衝撃が強すぎてハッキリと思い出せない
機内持ち込みの小振りなバックパックにはカメラやレンズ、MacBook Airが入っていてX線検査を受ける際にバックパックから取り出し、ポケット内の小物も全て出し幾つかのトレーに乗せて混雑する列に並んだ、今思えばこの時からターゲットに選ばれていたのかもしれない
時間も長く念入りに、持ち物と身体検査を受けて搭乗口にたどり着いた、そして暫しの休憩を挟んだ後ANAのコードシェア便としてのAir Indiaの機体へ吸い込まれて行った
その機内は成田からの便とは比べ物にならないほどの超満員!しかも大半はインド人‼︎
夜間のフライトで2時間足らず、機内持ち込みのバックパックから取り出したものはiPhone程度で、あとはそのまま頭上の物入れに
うとうとしていると到着と同時に一斉に出口に向かう人々、物入れから荷物を取り出してハッとした!
バックパックの背面のファスナーが開いている!
中に手を入れて頭が真っ白になった
買って間もないMacBook Airがあるはずのそこには…何も無い(泣)
ムンバイ 迄はバッグから取り出し目の前のシートポケットに入れていたのに、夜中で短時間という思いから油断した
気をしっかり持ってとりあえず日本の保険会社へ国際電話をかけ、このあと必要な流れを聞いた上で地上のAir Indiaの窓口へ事情説明に向かうも、所轄の警察に相談して欲しいということ
時間も既に23時を回りかけた頃、予約しているNew Delhiのホテルの事も気にかかり空港から移動することに
建物から出た途端、聞いてはいたけれどホテルやタクシーの客引きがどんどん近づいて来る、それらを振り切ってタクシー配車ブースを目指す、ここではあらかじめ行き先を申告して適正な料金?を前払いし、チケットを受け取る
複写になったこの紙切れの片方を近くの運転手に渡して目的地まで運んでもらうシステム、乗客は支払い証明でありドライバーにとってはこの紙と引き換えに戻ったブースでお金を得られる
うっかり流しのタクシーに乗ってしまうと観光客は思わぬトラブルに巻き込まれかねないので走り出す前に必ず値段交渉をする必要がある
最近ではタクシーやトゥクトゥクにもメーターが設置してある車も増えてはいるけれど、言葉の壁がある限りメーター通りに乗車できることの方が少ない
そのためにも事前交渉で納得して走り出してもらう事は欠かせない、折り合いがつかなければ降りるくらいの覚悟で
問題なくホテル迄運んでくれたドライバーには心ばかりのチップを手渡した
日本から予約済みのホテルは周りの景色に馴染まないとても綺麗な外観だった
翌朝はGoogle mapsに表示された近くの警察署に向かった、外観を見てもすぐにそうだとは判断がつかなかったので中に入り念のため確認したら間違いなかった
警察官らしく制服を身に付けた男性に空港での出来事を伝えてみるもここは担当区域外なので空港近くの警察署へ行くようアドバイスを受ける
さらにその方法として事前にインターネットカフェのようなところでインドの警察のシステムにアクセスして情報を登録しておく必要があるとも教えてくれた
目の前の壁がどんどん高くなるのが目に見えるようだった(泣)
20km離れた空港に舞い戻り手続きをする事も頭をよぎったが、異国の地でせっかく辿り着いた警察署、さらにこの日は夕方今いるニューデリーの駅から長距離の寝台列車に乗る予定もあり、ここから離れるのはとてももったいない気持ちがあった、
その警察署の受付には先程の男性警察官の他、サリーを纏った若い女性もいた、制服ではなく民族衣装でいることに驚いたがその彼女から紙とペンを借りて筆談に近いやりとりが始まった
これまでに30分は過ぎていた、そして旅人はもはやこの場を離れる様子がないと思われたようでカウンターの上にあった葡萄を分けて食べるよう勧めてくれた
小粒で細長くマスカット色の葡萄は皮ごと食べても種もなく美味しかった、その後のインド旅でも見かけるたびに食べていたが種子はあった
サリーの彼女に頼み込んで何とかならないかと懇願し続けた、去る気配の無い旅人を見かねた彼女は遂に最終手段に出た
警察署のパソコンルームに案内してくれたのだ、被害届を入力する画面を開き情報を読み取り入力までこなしてくれた
データベースに登録されたと思われる内容をプリントアウトして出してくれた
粘った甲斐があり、そして何よりもサリーの彼女のお陰で遂に保険処理に必要な書類を入手する事ができた!
浮き上がるような気持ちを抑えつつ感謝の気持ちを伝え2時間に及ぶ苦闘は幕を閉じた